伝説上の存在に、生物学的な側面が?

伝説上の存在に、生物学的な側面が?

伝説上の存在に、生物学的な側面が?

このケサランという代物のことを、「ケサラン伝説」からではなく、過去に放映されたテレビ番組を通じて知ったという方も意外と多いのではないだろうか?

もうかなり前になるが、昭和52年のこと、NHKが「ケサランの正体の謎」をめぐって、その姿や生態(?)をテレビで放映したことがある。その反響は大きく、しばらくすると、民放のいくつかのテレビ番組も追うようにして、このケサランの姿とその不思議な生態とを、あらためてお茶の間の前に披露したりもした。

これが「幸運のシンボル」としての、最初の「ケサラン・ブーム」を巻き起こすキッカケにもなったのだろう。しかし、当時その番組を見た人たちは、ケサランのそうした幸運のシンボルという伝説的な側面よりは、むしろその生物学的な側面のほうに、より大きな関心を抱くことになったと思われる。特に注目されたのは、次のようなことだったと記憶している。

東北のある旧家の屋根裏から桐の箱が見つかった。ふたを開けてみると、その中には動物の体毛が丸まったような毛玉が収められていた。これが伝説のケサランではないかと思い、これに白粉(おしろい)を振りかけて、桐の箱の中に戻しておいた。それから何年かして、再び箱のふたを開けてみると、中に入れていたケサランが大きくなっていた。また、その数も増えているのが観察された… というもの。

このように、ケサランに白粉を振りかけて、これを桐の箱の中に保管しておくと、数年の後には、それが大きく成長していたり、あるいはその数が増えているのが確認できるという。すなわち、伝説の中に出てくるケサランは、実際にも存在していて、また伝承のとおりの方法で、実際に増やすこともできるというのだ。

長年にわたって、そういうケサランの飼い方(?)をしている人の生の声も流された。成長したとされるケサランの姿もいくつか披露されたりもした。しかし、そのときのテレビ番組では、正体を突き詰めるというところまではいかなかった。ただ番組側としても、その毛玉の正体を探るべく、生物学を専門とする学者先生たちに、まずは毛玉の毛の鑑定を依頼していたのだった。

つまり、どこかの家で家宝とされていたケサランが、この調査のために一時的にも貸し出されていたことになる。持ち主にしても正体は気になっていたのだろう。こうして、それまでは伝説・伝承の中にだけあったケサランは、ここに来て突如(一時的ではあるが)アカデミックな対象とされたことにもなる。

その結果、それはある種の哺乳類の体毛と同じもの(もしくは、非常に似たもの)ということが明らかにされた。すなわち、ケサランがもつ毛玉は、毛で見る限りは、犬とか猫のような哺乳類の体毛そのもの、ということが判ったのである。

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